フランスで出会った「市民が作る短編映画祭」を地元姫路で

ひめじ国際短編映画祭     
Ecrans de Harima 代表 尾上浩子
(フランス・パリ在住)


「フランス在住なのに何故、姫路で映画祭を?」

よく聞かれる質問。答えは、フランスで出会った「市民の短編映画祭」を地元姫路に持ち帰りたかったから。映画で人と人を繋ぎ、姫路と外の世界を繋ぎたかったから。

パリでは、カフェで、バスで、メトロで、「今度短編を撮る予定でね…」と、アマかプロかはさておき、よくこんな会話を耳にする。アイデアと、手伝ってくれる友人と、カメラと、映画への情熱があれば気軽に撮れる短編映画。映画制作人口が多い。各地の短編映画祭が発表機会を与える。一般市民が鑑賞し、応援する。地元ボランティア主導のもと地方公共団体や地元企業の支援を得て、フランス各地で、短編映画祭が開催されている。

その一番の成功例が、クレルモン・フェラン国際短編映画祭。2013年で35回目を迎えた世界最大の短編映画祭。期間中は街の人口が2倍に膨れ、会場周辺は、観客と映画関係者で、夜中まで賑わう。大人も子供も楽しめる、町をあげてのお祭り。地元民は、映画祭を通しての異文化交流に喜び、世界を広げる。地元にいながら、これからの若手監督と出会い、刺激をもらう。真冬の山間の地方都市での開催だが、外部からも多くの観客を迎え、映画祭を通して外の世界と繋がっていく。市民の情熱が、行政を動かし、しっかりと「短編映画祭=クレルモン・フェラン」という図式を市民の間に、世界中の映画制作者、映画ファンの間に浸透させた。私が目標とする映画祭だ。





文化の国フランスでは、国や地方公共団体などが、短編映画の文化的、芸術的、社会的価値を認め、映像制作や映画祭を多方面から支援している。各種の助成制度により、表現者には、その環境と資金が与えられる。映画祭企画者には、ミニシアターや公共施設が喜んで会場を提供してくれる。国の手厚い保護を受けながら、良質の外国作品、過去の名作、短編映画など、商業的成功が難しい作品を上映する場所としての役割を果たしている。文化の中心パリでは、ミニシアターの数も多く、日本の新旧の名作なども常にどこかで上映されていて驚く。

観客動員だけ考えてセレクトしたら自国の作品かハリウッド大作しか見られなくなってしまう。世界中の多様な文化や映像に触れる機会を与えてくれるありがたい存在だ。

ミニシアターが少ない地方都市では、各種の映画祭が、未知の文化への窓口としての役割を担っている。地方都市で映画祭が盛んなのは、まさしくこの理由からだろう。


様々な短編映画祭に参加し、若手の個性豊かな作品を鑑賞しながら思った。地元姫路でも、ボランティアの自由な発想とマンパワーで、観客と監督が気軽に交流し、楽しめる映画祭はできないか。世界中に面白い作品が山ほどあるし、日本の若手監督のパワー溢れる作品が上映機会を待って眠っている。姫路で上映し、たくさんの監督やお客さんに来ていただき、映画を通して多様な文化に触れて感動してもらいたい。

監督には上映場所を、観客には観る機会を、そして、地元民にはお迎えできる喜びを。


 

そんな想いで始めたひめじ国際短編映画祭。

通りに観客を呼び込みに出た1年目、客席が“それなりに”埋まって涙した2年目、コンペ応募数が3倍に膨れ、多くの観客と来場監督を迎え、嬉しい悲鳴を上げた3年目。ゲスト監督のトークはほぼ満席で、観客の皆様に映像制作の楽しさを伝えることができました。4年目はゲスト監督に加え、映画祭でご縁ができた若手注目監督数名にスポットをあて、彼らの生の声を届けることも試みました。5周年の2012年度は、アート、音楽、演劇、食と多彩な周辺イベントを同時開催し、総合文化イベントを目指し、多数の来場者を迎えることができました。試行錯誤を重ねながらも、おかげさまで、すこしずつ、でも着実に、ひめじ国際短編映画祭が市民と制作者の間に浸透してきました。
第6回目を迎える2014年度は、「普段大画面で鑑賞する機会の少ない短編映画を無料上映で気軽に鑑賞しつつ監督の生の声を聞くことで作品への理解を深める。若手監督を自分の目で発掘し、応援する。」という映画祭の本来の姿に戻し、姫路での映画文化の活性化と、映画を通して人と異文化が交流できる、刺激的な文化イベントを目指していきたい思います。

映画祭の運営を通して、地元姫路を再発見し、様々な人と出会い、姫路に来てくれた方々に、姫路の良さも伝えることができました。馴染みのない映像文化を観て得る感動、イベント運営を通して得る非日常の経験。作り手と観る者が近く、開かれた映画祭。刺激と感動を皆さんと分かち合えればと思います。

皆さん、一緒に映画祭を作りませんか?



ひめじ国際短編映画祭2014 ボランティアスタッフ募集

ひめじ国際短編映画祭を手伝ってくれる人を募集しています!

2014年6月13日(金)・14日(土)・15日(日)の3日間、イーグレひめじにて開催される、ひめじ国際短編映画祭において事前準備、当日スタッフ、事務作業、広報活動等様々な分野で活躍いただけるボランティアスタッフを募集しています。ご希望の日時のみで結構です。それぞれの得意分野を生かした活動をお願いします。スタッフ全員で映画祭を盛り上げていきましょう♪

興味のある方は、お名前・住所・電話番号・メールアドレス・希望分野を書いてecrans.de.harima@gmail.comまでメール、もしくは、お問合せフォームよりご連絡ください。追ってご連絡させていただきます。

 ■ボランティアの種類
  ・チラシ・ポスター配布(姫路市内および周辺のショップなど)
  ・プログラム発送
  ・当日の会場設営、運営(受付、会場整理)
  ・映画祭最終日交流会の準備
  ・来賓・ゲストのご案内
   など

 ■活動場所
  ・イーグレひめじ(当日) 姫路駅東口よりキタへ、みゆき通りをこえ本町商店街北東角





Ecrans de Harimaとは?

Ecrans de Harimaとは?
ひめじ国際短編映画祭を運営する市民ボランティアグループをご紹介します
本映画祭は、Ecrans de Harimaが運営しています。Ecrans de Harimaとは、フランス語で「播磨のスクリーン」の意味です。映画祭や上映会を通して、姫路及び播磨地域での、映画文化の普及と活性化を目指して、命名しました。



団体名 Ecrans de Harima(エクラン・ドゥ・ハリマ)
代表 尾上浩子 第6回 運営委員長 富山直樹
事務局(2013年1月に移転しました)
〒672-8035 姫路市飾磨区中島1‐430
ひめじ国際短編映画祭2014事務局
電話:080-6103-2635
ecrans.de.harima@gmail.com

http://harima-film.com/





■活動趣旨・目的
本会は、芸術・文化作品であるショートフィルムの上映を中心とした文化・教育・福祉・国際交流・地域交流イベントを行い、播磨における映画文化の定着・地域交流の活性化・社会教育の推進を目的とする。
 また、新たな産業としての映像文化を誘致し、制作・発表の場を提供することによりソフト制作ができる人材を育て、世界に向け文化を発信する拠点を目指す。

■事業内容
1)文化事業:映画を中核とした文化の振興
 公共施設・児童福祉施設・老人福祉施設・商業施設などでの上映会や、短編映画祭を行い、さまざまな映画文化に親しむ機会を提供する。
 若手監督に上映機会を与えるとともに、地域住民企画の播磨発の映画制作への機運を高め、播磨における文化の活性化を狙う。
2)地域振興事業:映画上映を通しての地域の活性化
 養護施設・医療機関・老人ホーム・児童福祉施設、また在宅の高齢者が集まりやすいお寺・図書館・公民館・デイサービスセンターなどに出張上映する事で、映画館に足を運びにくい人達が、映画を楽しみ、また地域住民との交流を図る場を提供する。
3)教育事業:映画による社会教育・創作意欲の促進
 各種施設、教育機関において、人権・平和・環境・異文化学習等のテーマ別上映会を行い、世界の優れた文化や映画芸術を通して多様な感覚に触れることで、豊かな感性を身につけるよう促すとともに、社会教育・国際交流など多方面における視野拡張のきっかけとなることを目指す。
 アニメーションや映画制作のワークショップや制作作品の上映を行うことで、映像を作る喜びや楽しさ、表現方法の多様さを学習し、創作・表現意欲のきっかけとなることを目指す。
4)国際交流事業:映画を通しての国際交流・異文化交流
 国際色豊かなショートフィルムの上映会及び関連イベントを通して、地元に居ながらの異文化体験や、在日外国人との交流を深めるきっかけになる場を提供する。

■事業実績
2006年—————————————————————-
 8月 ・大塩海岸での野外上映 カフェ霑(てん)主催 音楽イベント「彩音 PSY ON」にて
   ・お寺で上映 会宍粟市山崎町 日蓮宗龍川山 法傳寺にて
2007年—————————————————————-
 8月 ・ショートフィルムフェスティバル 二日間 姫路お城祭りのイベントとして イーグレひめじにて
2008年—————————————————————-
 11月・出張上映キャラバン~短編映画より愛を込めて~ 姫路打越 介護施設「三愛園」にて
2009年—————————————————————-
 4月~7月・お城の見える映画館 シネマナイト 毎月1回 本映画祭プレイベントとして 姫路本町 納屋工房にて
 8月 ・2009世界遺産の街 ひめじ国際短編映画祭 二日間 姫路お城まつりのイベントとして イーグレひめじにて
 11月・映画『マス・エンダン』上映会 11/23(祝) 姫路本町 納屋工房にて
2010年—————————————————————-
 2月 ・映画『愛を読むひと』と短編映画上映会 2/25(木) 姫路本町 姫路市民会館にて
 3月 ・ひめじ国際短編映画祭in神戸 3/28(日) 神戸元町 海文堂書店にて
   ・お城の見える映画館 シネマナイト 5/15(土) 姫路本町 納屋工房にて
 5月 ・映画『ウォレスとグルミット』と短編映画上映会 5/30(日) 姫路本町 イーグレひめじにて
 6月 ・懐かしのクラシック名画『ガス燈』『禁じられた遊び』上映会 6/18(金) 姫路本町 姫路市民会館にて
   ・お城の見える映画館 シネマナイト 6/19(土) 姫路本町 納屋工房にて
 7月 ・お城の見える映画館 シネマナイト 7/10(土) 姫路本町 納屋工房にて
 8月 ・2010世界遺産の街 ひめじ国際短編映画祭 8/6〜8/8(金〜日) 姫路お城まつりのイベントとして イーグレひめじにて
2012年—————————————————————-
 5月 ・2012第5回ひめじ国際短編映画祭 5/25〜27(金〜日)「まち」と「映画」を楽しむ映画祭として、映画上映を中心に音楽、演劇、アート、食の総合文化イベントをイーグレひめじ、姫路文学館、姫路市立美術館、ヒメジガハハゲストハウス、西二階町七福座、大手前公園他にて